本という小宇宙の革新者「Edition Nord」:手製本とデザインが交差する独立系出版の真髄
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edition nordのすべての造形を統括する秋山伸は、単なるブックデザイナーの枠に収まらない異能のクリエイターです。彼の本作りにおける思考は、平面デザインというよりも「構造物の設計」に近い感覚を持っています。
ページをめくるという行為は、時間軸を伴う空間の移動に他なりません。秋山はこの「空間と時間」の概念を誌面に落とし込みます。文字の配置や余白のバランスだけでなく、紙の坪量(厚み)の変化によって生まれるめくりのリズムまでをコンポーズします。
「個」としての本を作るという決意
秋山が東京での活動に区切りをつけ、自身のレーベルを立ち上げた背景には、消費され消えていく商業出版への疑問がありました。著者の言葉やアーティストの作品が、安易なテンプレートに嵌め込まれていく現状への危機感です。
1冊の本と1人の読者が真剣に向き合う空間をどう構築するか。その回答が、企画から製本まで自社で完結させるedition nordのスタイルでした。効率を犠牲にしてでも追求される「強度のある造形」は、彼の確固たる造形哲学から生まれています。