彼女の徹底した人間関係への距離感は、どこで培われたのか。その原点を辿ると、多くの芸能人を輩出してきた名門・堀越高等学校(トレイトコース)時代のエピソードに行き着きます。
10歳で「東宝シンデレラ」オーディションのニュージェネレーション賞を受賞し、石川県から上京した浜辺美波にとって、高校時代は映画『君の膵臓をたべたい』の歴史的大ヒットを機に一躍トップスターへと駆け上がった激動の3年間でした。連日の過密な撮影スケジュールと学業の両立に追われる中、学校での彼女の過ごし方は極めて特異なものでした。
後年のインタビューで本人が振り返ったところによると、高校時代の休み時間は「周囲とどう関わっていいか分からず、机に突っ伏して寝たふりをしていた」といいます。昼食の時間も輪に入ることなく一人で素早く済ませ、放課後も友人と寄り道をすることなく仕事場や自宅へ直行する日々でした。
この行動の根底にあったのは、幼少期から大人たちの厳しいビジネスの世界に身を置いてきたがゆえの強烈な自己防衛本能と極度の人見知りです。プロとして弱音を吐けない現場環境と、同世代特有のグループ意識とのギャップに直面した結果、「無理に周囲と同調するくらいなら、最初から一人でいる方が精神的に平穏を保てる」という独自の心理的バウンダリー(境界線)を確立させたと考えられます。