ネット上の自殺募集にまつわる最大の盲信は、「同じ苦しみを抱えた仲間が見つかるかもしれない」という淡い期待にあります。しかし、サイバー犯罪や重大事件の捜査関係者が口を揃えて指摘するのは、「募集に接触してくる者の99%は、死ぬ気など微塵もない悪意の第三者である」という冷徹な事実です。
自殺願望を抱える人々がネット上に書き込む「死にたい」「消えたい」という叫びは、心理学的に言えば自己防衛能力が極限まで低下した状態の表れです。犯罪心理の観点から見ると、このような人物は「周囲に異変を訴える力がない」「行方不明になっても自発的失踪として処理されやすい」「何をされても抵抗する気力が薄い」という、極めて搾取しやすい標的として映ります。
実際に確認されているネット上の自殺願望書き込みと犯罪被害の類型は多岐にわたります。最も代表的なものは、同乗や密室での面会を持ちかけ、睡眠薬や酒を飲ませた上で行われる性的暴行や監禁です。また、所持金やクレジットカードの暗証番号を聞き出し、身ぐるみを剥いで山中に遺棄する金銭強盗、さらには闇バイトなどの犯罪実行役に仕立て上げられる特殊詐欺への巻き込みも報告されています。絶望の淵にいる人々を待ち構えているのは、「優しい理解者」ではなく、人間の弱みに群がる獰猛な捕食者たちなのです。