仲本さんの不慮の事故死直後、メディアを最も賑わせたのが過熱する遺産トラブル報道だった。世間の野次馬根性を煽るかのように、「密葬でのトラブル」や「遺品整理を巡る家族間・事務所との対立」といったスクープ記事が連日のように週刊誌を賑わせた。昭和お笑い界の巨星が遺した財産や著作権、さらには遺骨の納骨場所に至るまで、ドロドロとした愛憎劇として消費されていったのだ。
だが、関係者の証言を丹念に追跡していくと、報道の過激さとは異なる一面が見えてくる。未公開の取材データによれば、金銭的対立と報じられた事象の多くは、急激な状況変化に伴う手続き上の齟齬や、過剰なメディアの解釈が生み出したギャップであったという側面も強い。周囲の無遠慮な好奇心と憶測が、残された遺族や妻の苦悩を不必要に増幅させていたのである。