志賀隆氏が掲げる専門分野の中核は、「北米型ERシステム」「臨床推論教育」「外傷・集中治療」「災害医療」の4本柱で構成されています。従来の日本型救急が外科系・内科系に細分化され、受け入れ先の選定に時間を要していた構造的欠陥に対し、初期対応の段階であらゆる疾患を包括的にトリアージするER型システムの普及に長年尽力してきました。
同氏の研究実績は、国際的な査読付き医学論文(Peer-reviewed journals)における多数の執筆にとどまりません。現場の医療従事者から決定的な支持を集めているのが、実践的な臨床推論マニュアルや教育書籍の執筆・監訳です。代表作である『救急外来 ただいま診断中!』シリーズをはじめとする著書は、若手医師や医学生の間で「当直帯の必読バイブル」として定着しています。
学会発表資料や学術データベースの記録によると、志賀氏が提唱する教育手法は「直感や根性論に頼らない、確率論とエビデンスに基づいた思考フレームワーク」に特化しています。主訴から即座に致命的疾患(Killer Conditions)を想起し、除外診断を論理的に進める手法は、救急現場における誤診率の低下と滞留時間の短縮に大きく寄与したと学術的にも高く評価されています。