スマートフォンの画面をスクロールすると、耳慣れた重低音のイントロが流れてくる。2026年春、ショート動画プラットフォームで突如として流行し始めたのが、「ゆけゆけ飛雄馬」のテンポを上げたリミックス音源だ。過酷な受験勉強や、理不尽なバイトのシフトに立ち向かう若者たちが、自虐的なユーモアを交えてこの曲をBGMに投稿している。
効率主義やスマートな生き方が推奨される現代において、この曲が持つ「泥にまみれて這い上がる」という泥臭さは、逆に新鮮なリアリティをもって受け止められているようだ。SNS上のコメント欄には「無駄に熱くて元気が出る」「今の曲にはない圧倒的な圧がある」といった声が並ぶ。冷めた時代だからこそ、この過剰な熱量が求められているのかもしれない。