SNSやビジネス掲示板(5ちゃんねる、知恵袋、各種コミュニティ)を覗くと、「うちの部署にも無能な働き者がいて地獄を見ている」という悲鳴が後を絶ちません。現場の管理職たちが直面している生々しい実態からは、軍隊の寓話が単なる昔話ではない現実が浮き彫りになります。
大手IT企業で開発部長を務める40代男性は、自チームの苦悩を次のように証言します。
「朝一番に出社して終電まで猛烈に働くメンバーがいたのですが、指示した仕様を勝手に拡大解釈し、不要な機能を何重にも実装してしまった。結果としてバグが大量発生し、リリース直前にチーム全員で数日間の徹夜デバッグを強いられました。本人は『会社のために頑張ったのに』と涙ぐんでおり、注意するこちらが悪者になる。これほどマネジメントを疲弊させる存在はありません」
この現象の背景には、日本企業に根強く残る「汗を流して残業すること自体を評価する文化」があります。目的の達成度ではなく「行動の量と熱意」を称賛してしまう評価制度が、無自覚な破壊者たちを育成する温床となってきました。
とりわけ業務の省力化が急速に進む昨今、この構図はより深刻化しています。AIツールを雑に使って低品質な企画書を1日に何十本もばら撒き、他部署に確認の手間を押し付ける行為は、まさにデジタル時代の「無能な働き者」が生み出す典型的な惨劇と言えます。