この作品をいま再見して誰もが驚愕するのが、画面の隅々に配されたカメオ出演陣の異常な豪華さだ。ほんのワンシーン、数秒のカットに、現代の日本映像界の主役たちが惜しげもなく投入されている。
ルイとアマに路地裏で絡むチンピラ役に藤原竜也。凄惨な暴力の引き金を引くヤクザの幹部役に小栗旬。さらに、タトゥーショップの怪しげな店員役としてオダギリジョーまでが姿を見せる。台詞すら一言二言の贅沢すぎるキャスティングだ。
この布陣が実現した理由はただ一つ、蜷川幸雄という絶対的な太陽の存在だ。「蜷川さんの映画なら、どんな端役でも駆けつける」。そう公言してはばからないトップランナーたちが、リスペクトの証として渋谷の薄暗いロケ地に集結した。彼らが醸し出す圧倒的な空気感が、作品の不穏なリアルさを何倍にも増幅させていたのは紛れもない事実だ。