近年の玉置浩二のビジュアルを紐解く上で、決して見落としてはならない存在が、2010年に結婚した青田典子 妻の存在です。波乱万丈な私生活を送り、心身ともに疲弊していた時期もあった玉置浩二にとって、青田氏との生活はアーティストとしての再生を意味していました。
玉置浩二 メイクの理由について、音楽関係者や舞台スタッフの証言によると、妻である青田氏がスタイリングやヘアメイクのアドバイザーとして深く関与していることは業界内で広く知られています。青田氏はかつてC.C.ガールズとして芸能界の第一線で美のプロフェッショナルとして活動してきた経歴を持ち、照明下での見え方やセルフプロデュースの重要性を熟知しています。彼女の助言のもと、遠くの客席や大型スクリーンの隅々まで感情を伝えるための「ステージ専用メイク」が構築されていきました。
また、玉置浩二本人の音楽的ルーツを辿れば、安全地帯の原点にはデヴィッド・ボウイやカルチャー・クラブなど、80年代初頭の英米ニューロマンティック/グラムロックからの強い影響が存在します。男がメイクをしてステージに立つことは、彼らにとって突飛なことではなく、ロックボーカリストとしての正統な自己表現なのです。加齢によってぼやけがちになる目元の輪郭をブラックのアイラインで引き締め、眉をしっかりと描く行為は、若作りのための整形ではなく、舞台に立つ表現者としての「戦闘服」をまとう儀式に他なりません。