事件をめぐっては、インターネット上で数多くの誤った言説(都市伝説・デマ)が拡散されました。その代表例が「靴や服が2年半も山の中にあったにしては綺麗すぎる。後から何者かが置いたに違いない」という主張です。
現場取材を行った記者や法鑑識の現場では、この言説は明確に否定されています。発見された運動靴(エメラルドグリーン)は、日光の紫外線が直接当たらない湿った枯れ沢の土砂や落葉に埋もれた状態で見つかりました。現代の合成繊維やゴム素材は紫外線に晒されなければ長期間劣化しにくく、泥水を洗い流せば鮮やかな色が保たれます。
衣服についても同様で、ポリエステルなどの化学繊維は土中のバクテリアで生分解されません。長期間土中に埋もれていた靴や衣類が、大雨の土砂移動によって偶然地表に露出したというのが物理的な事実であり、「後から犯人が置き直した」という仮説を支持する痕跡は一切ありませんでした。