現場を揺るがす電圧降下の許容範囲!内線規程の基準と計算ミス根絶法

現場を揺るがす電圧降下の許容範囲!内線規程の基準と計算ミス根絶法

現場を揺るがす電圧降下の許容範囲!内線規程の基準と計算ミス根絶法に関する話題のニュースをまとめてご紹介します。最新情報を求める方は必見です。

「図面通りに施工したのに、試運転でコンプレッサーが入った瞬間にブレーカーがトリップする。テスターで当たったら172Vまで落ちていた」――大手設備工事会社のベテラン現場代理人は、過去に遭遇した冷や汗の経験を苦渋の表情で振り返ります。

インターネット上の電気工事コミュニティやSNS上でも、「許容電流と電圧降下の優先順位を勘違いしていた」という悲鳴が定期的に投稿されています。代表的なのが、許容電流と配線長の影響を分離して考えてしまう罠です。許容電流は「電線に電流を流したときに発生するジュール熱で、被覆絶縁体(ビニルや架橋ポリエチレン)が熱破壊・発火しない限界値」を規定した安全基準であり、電線の長さ(こう長)とは一切関係がありません。一方、電圧降下は「電線の長さに完全に比例して増大する」という決定的な違いがあります。

例えば、三相200V・定格電流30Aの負荷を駆動する場合を検証してみましょう。周囲温度30℃、CVケーブル3心の場合、許容電流の観点からは「5.5$\text{mm}^2$(許容電流約49A)」を選定すれば何の問題もありません。しかし、分電盤から負荷までの距離が80m離れていた場合、三相3線式の計算式を適用すると以下の結果になります。

$e = \frac{30.8 \times 80\text{m} \times 30\text{A}}{1000 \times 5.5\text{mm}^2} \fallingdotseq 13.44\text{V}$
降下率:$\frac{13.44\text{V}}{200\text{V}} \times 100 \fallingdotseq \mathbf{6.72%}$

基準値が2%〜3%(4V〜6V以内)である現場において、13.44Vの降下(6.72%)は明白な規格違反です。定常運転でさえ186.5Vまで電圧が低下し、始動時にはさらに大きな電圧ドロップが生じて機器の基板が電圧低下異常(UVエラー)を検出してロックします。この現場を健全に稼働させるためには、電線サイズを「14$\text{mm}^2$(降下電圧約5.28V・降下率2.64%)」まで2ランク引き上げなければなりません。

現場の実態調査からも明らかなように、「許容電流をクリアしているから大丈夫」という思い込みは最大の落とし穴です。配線長が30mを超えるあたりから、電線太さの選定基準の主導権は許容電流から電圧降下へと完全に移行します。

吉田 誠
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吉田 誠

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