脳卒中で右脳にダメージを受けると、左半身に麻痺が出ることは広く知られています。この現象の鍵を握るのが、延髄下部に存在する錐体交叉(すいたいこうさ)です。
延髄の錐体まで下りてきた神経線維の約80〜90%は、ここで左右が反転するように反対側(対側)へと斜めに交差します。これが外側皮質脊髄路となります。つまり、右の大脳皮質中心前回から出た指令は、延髄で左側へ乗り換え、左の手足を動かす筋肉へと到達する構造になっています。
この解剖学的ルールがあるため、延髄の錐体交叉より上位(大脳皮質や内包など)の病変では「対側の麻痺」が起き、錐体交叉より下位(脊髄)の病変では「病変と同側の麻痺」が生じるという明確な違いが生まれます。