冬季の寒冷地やウインタースポーツへ向かう高速道路で、ドライバーを突如襲うのがタイヤハウス雪詰まりです。回転するタイヤが巻き上げた湿った雪がハウス内部に次々と付着し、冷気で瞬時に凍結してカチカチの氷塊(スノーブロック)へと成長します。
これが肥大化すると、タイヤと氷塊が常時擦れ合って減速抵抗となるだけでなく、交差点でステアリングを切った瞬間にタイヤが引っかかり、ハンドルが回せなくなる危険な「操舵不能状態」に陥ります。
現場でよく見られる危険な悪弊が、固着した雪塊を長靴のかかとや金属製スノーブラシで力任せに蹴り落とす行為です。氷点下で極度に脆くなった樹脂製フェンダーライナーは、衝撃で容易に粉砕します。タイヤハウス雪詰まり解消の鉄則は、出発前に市販のシリコーン系撥水スプレーや下回り防汚剤をライナー表面に薄く塗布しておく予防策です。付着初期であれば、温水スプレーや解氷剤を吹きかけ、ライナーを叩かずに接触面を溶かして滑落させなければなりません。
さらに深刻なのが、雪道に撒かれる凍結防止剤(塩化カルシウム)と泥汚れの蓄積です。タイヤハウス洗車と泥汚れ落としを怠ると、ライナーの隙間に侵入した塩分混じりの泥が水分を保持し続け、電食作用によって車体骨格に激しい赤サビを発生させます。一度骨格まで腐食が進行すると、車検に通らなくなるだけでなくフレーム剛性が失われます。高圧洗浄機を用いてタイヤハウスの折り返し部分や奥まった金属パネルの汚れを徹底的に洗い流し、新車時や車検時にタイヤハウスサビ止め塗装(油性・水性の厚膜アンダーコート)を施工しておくことが、愛車の延命に直結します。