高校生物の記述試験や医療系国家試験で最も差がつくのが、グラフから数値を読み取らせる計算問題です。出題パターンは確立されているにもかかわらず、多くの受験生が設問の罠に引っかかります。確実に満点を取るための鉄則を解説します。
典型的な例題を用いてステップを確認しましょう。
【典型演習例題】 肺胞における酸素分圧が100mmHg、二酸化炭素分圧が40mmHgである。このときヘモグロビンの酸素飽和度は96%であった。
一方、活動中の組織における酸素分圧が30mmHg、二酸化炭素分圧が70mmHgであり、酸素飽和度は32%に低下した。
問:肺胞の酸素ヘモグロビンのうち、組織で酸素を放出した割合(酸素解離度)は何%か。小数点第1位を四捨五入して整数で答えよ。
この問題に直面したとき、不合格ラインに陥る受験生は無意識に「96 − 32 = 64%」と計算してしまいます。しかし、これは誤りです。「全ヘモグロビンに対する割合」なのか「肺胞で結合していた酸素ヘモグロビンに対する割合」なのかによって、計算式が根本から異なります。
問題文を注意深く精読してください。主語は「肺胞の酸素ヘモグロビンのうち」となっています。つまり、母集団(分母)は「100」ではなく「96」でなければなりません。
正しい立式手順は以下の通りです。
- 放出された酸素ヘモグロビンの量: 96 − 32 = 64
- 肺胞に存在していた酸素ヘモグロビン量に対する比率: 64 ÷ 96 ≒ 0.6666...
- 百分率への換算: 0.6666... × 100 = 66.7%
- 四捨五入して回答:67%
もし設問が「全ヘモグロビンの何%が組織で酸素を解離したか」であれば、答えは「64%」となります。試験本番では、グラフから値を読み取る作業よりも前に、「分母が何を指定しているか」に二重下線を引く習慣を徹底してください。このワンアクションだけで、計算問題の正答率は飛躍的に向上します。