青森市内で家を買うということは、「冬の降雪量年間累積10メートル超」の過酷な自然環境と生涯向き合う契約を交わすことを意味する。春から秋の内覧では絶対に気づけない青森市豪雪地帯の注意点を軽視した結果、最初の冬で精神的・経済的に破綻するケースが多発している。
最重要チェック項目となるのが屋根の雪処理方式だ。雪を自然に落下させる勾配屋根の場合、自宅の敷地内に十分な堆雪スペースがなければ、落雪が隣家のカーポートを破壊したり、境界フェンスを圧迫したりして深刻な近隣トラブルへと発展する。そのため、近年の中古市場では雪を屋根の上で徐々に融かして流す「ルーフ無雪工法」や、電気・灯油ヒーターを組み込んだ屋根の人気が高い。しかし、無雪屋根は定期的な防水メンテナンスを怠ると「すが漏れ(氷堤によってせき止められた水が屋根材の隙間から侵入する現象)」を引き起こし、野地板や垂木を腐朽させる猛毒となる。
また、敷地内に導入される青森市融雪設備付き物件についても盲信は禁物だ。地下水を利用した消雪設備はランニングコストを抑えられる半面、鉄分による赤さびの沈着や井戸ポンプの経年劣化(交換費用約40万〜70万円)がつきまとう。一方、ロードヒーティング(ボイラーによる温水循環式または電気式)は、灯油価格や電気料金が高止まりする昨今の経済環境下では、冬期の月間稼働コストが5万〜8万円を超えることも珍しくない。「設備があること」に満足せず、「今月の燃料代を払って稼働させ続けられるか」という採算性まで計算し尽くす必要がある。