激動の生涯を送った浅香さんが晩年に安らぎを見出したのが、タレント・コメディアンの世志凡太(せし・ぼんた)さんとの関係でした。1990年代初頭から約30年にわたり事実婚関係を続け、入籍という法的手続きを踏まない「大人のパートナーシップ」を築きました。
世志さんは浅香さんより5歳年下で、マネージャー役として舞台やテレビ出演を支え、私生活でも浅香さんの奔放な気性を優しく包み込みました。形式的な婚姻関係に縛られず、互いの芸と独立した尊厳を認め合う二人の姿は、現代の多様な家族観の先駆けともいえる関係性でした。
2026年10月、体調を崩した浅香さんは入院し、末期の膵臓がんであることが判明します。すでに手の施しようがない進行状態でしたが、世志さんは医師と相談の上、浅香さん本人には末期がんの病名を告知しない選択を取りました。「病気であることを知れば、気丈な人だから余計に気落ちして苦しむ。最後までスター・浅香光代として前を向いて生きてほしい」という世志さんの深い配慮からでした。同年12月13日、世志さんや家族に見守られながら、92歳で静かに息を引き取りました。