埼玉県内の高校バドミントンをめぐっては、華やかな実績の陰に隠れた実態や、ネット上で広まる偏った言説も少なくありません。進路選択や競技観戦において注意すべきポイントを整理します。
一つ目の誤解は、「私立のメガ強豪校に入学すれば、誰でも強くなれる」という盲信です。全国からトップ選手が集う名門校では、部内セレクションやレギュラー争いの過酷さは県大会の1回戦を遥かに超えています。Aチーム(遠征・大会登録メンバー)とBチーム以下では遠征先や対外試合の経験値に開きが生じることも珍しくありません。精神的な自立心や、控えの立場であっても自身の課題を黙々と克服できるタフネスがなければ、途中で自信を喪失してしまうリスクを孕んでいます。
二つ目の盲点は、公立高校の存在感の過小評価です。大宮東をはじめ、進学校としても知られる不動岡や浦和北などは、スポーツ推薦による大規模な選手補強を行っていません。その代わりに、地域のジュニアクラブで培った技術を持つ生徒が主体的に集まり、自ら練習メニューを考案して強豪私立に対抗しています。指導者が選手に指示を出し続ける私立校に対し、コート上で自ら戦況を打開する「思考力」を養った公立勢の選手が、大会後半で番狂わせを演じる構図は、埼玉県大会の隠れた醍醐味となっています。