河上智美が紡ぐガラスの世界: 日常に溶け込む温もりの創造
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下町情緒が色濃く残る浅草で生まれ育った河上智美。彼女がガラスという素材と出会ったのは、偶然ではなかった。東京の喧騒の中で育ちながら、手仕事への憧れは幼少期から彼女の心に芽生えていた。
1997年、河上は石川県の能登島ガラス工房で吹きガラスの基礎を学び始める。能登島は日本海に浮かぶ小さな島で、静寂と自然に囲まれた環境がガラス制作には理想的だった。ここで彼女は、1200度を超える炉の前で汗を流し、溶けたガラスを吹き竿に巻き取る技術を一から習得した。
翌年から2001年まで、河上は東京の松徳硝子に勤務する。松徳硝子は1922年創業の老舗ガラスメーカーで、精密なガラス加工技術で知られる企業だ。ここでの経験は、彼女に工業的な視点と品質管理の重要性を教えた。芸術性と実用性のバランス。この両輪こそが、後の河上作品の礎となる。