瀧本幹也の写真集が放つ静謐な光:自然と建築、レンズが捉えた美学の軌跡
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2013年に刊行された写真集『LAND SPACE』(青幻舎)は、瀧本幹也の作家性を決定づけた金字塔的一冊です。この写真集で提示されたのは、「地球本来の姿としてのLAND(自然)」と「人類が作り上げた巨大構造物としてのSPACE(文明)」というふたつの世界の対立と調和でした。
自然と文明の境界線を捉えるレンズ
瀧本は南米の塩湖やアイスランドの氷河といった地表の原風景を撮る一方で、宇宙ロケットの発射台や製鉄所などの工業地帯を同じ解像度で描写しました。両者が対見開きで提示されることで、ページをめくる読者は自然の壮大さと構造物の幾何学的美しさに共通する「規則性」と「異物感」を同時に体験します。
本作で使用された大判・中判カメラによる画像処理に頼らない純粋な光学描写は、ディテールの一本一本まで鮮明に紙面に刻み込んでいます。この業績により、彼は第61回毎日デザイン賞を受賞。単なる風景写真の枠を超えた現代アートとしての写真集の価値を証明しました。