是恒さくらが描く鯨と人類の記憶|北太平洋の捕鯨文化とテキスタイルアートの深層
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美術館での展示に加え、是恒さくらが精力を注ぐのが自主出版物(ZINE)の制作である。代表作である『海の鏡』シリーズは、彼女が各地で収集したリサーチノート、イラスト、エッセイ、インタビューを収めた小冊子だ。
アート作品は時にギャラリーという限定された空間に閉じ込められがちだが、印刷物となった冊子は手から手へと渡り、海を渡る。美術館を訪れる機会のない地元住民や、遠方の研究者、旅人のもとへ届く。この「広がり」こそが、彼女の目指す現代アートのあり方である。専門的な学術書と個人的な日記の狭間に位置する彼女の著作は、読者に豊かな想像の余白を提供する。