静寂を纏う土と釉薬:陶芸家・角掛政志が創り出す「用の美」の真髄
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器は使われてこそ価値を発揮します。どれほど見た目が美しくても、重すぎたり洗いづらかったりすれば、やがて棚の奥へ追いやられてしまう。角掛政志氏の作陶哲学の根底には、徹底した使い手への配慮が存在します。
彼の代表作である黒釉の器を眺めると、単なる漆黒ではない複雑な表情に気づかされます。焼成の段階で生まれる微細な色の移ろい、結晶化した金属的な光沢、そしてしっとりと手に馴染む質感。主張しすぎないのに、食卓に置くだけで全体の雰囲気が引き締まる存在感があります。
料理を引き立てる黒の美学。和食の繊細な色彩はもちろん、洋食の鮮やかな素材の色彩も鮮明に浮かび上がらせます。使い込むほどに油分が馴染み、艶を増していく経年変化を楽しめるのも、角掛作品の大きな魅力です。