柳瀬俊一郎と輸入車王国の時代:日本モータリゼーションを動かした経営革新の真実
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1960年代から1970年代にかけて、日本の高度経済成長とともに自家用車の需要は爆発的に高まった。しかし、当時の輸入車は依然として一部の富裕層や官公庁、大企業に限られた高級品であった。
ヤナセはこの状況を打開すべく、多角的なブランド戦略を展開した。最高峰のラグジュアリーカーとしてメルセデス・ベンツを位置づける一方、キャデラックやシボレーといったアメリカ車、さらにはフォルクスワーゲン(ビートルやゴルフ)などのコンパクトカーを幅広く導入。この車種ラインナップの拡充に俊一郎らの戦略的意思決定が関わっている。
「良い車を長く乗ってもらう」という方針のもと、全国主要都市への拠店網整備が進められた。輸入車は壊れやすいという当時の偏見を払拭するため、販売整備網の充実に巨額の投資が実施された。この先見の明こそが、ヤナセを単なる貿易商社から総合自動車販売会社へと脱皮させた最大の要因である。