正しく静止した三点倒立は、単なる見栄えのするアクロバットにとどまらず、深層筋群の動員率において通常のプランクを大きく上回る数値を叩き出します。重力に対抗して垂直軸を維持するため、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群からなる「インナーユニット」がフル稼働し、極めて密度の高い体幹トレーニング効果をもたらします。
さらに、抗重力姿勢をとることで、下半身に滞留しがちな血液やリンパ液が心臓へ一気に還流されるため、脚のむくみ解消や血流改善に即効性があります。内臓諸器官が一時的に下垂状態から解放されることで腸の蠕動運動が刺激されるほか、頭部への血流量増加に伴い、自律神経の交感神経から副交感神経へのリフレッシュ作用が報告されています。これら多角的な生理反応こそが、長年ヨガ界で「アーサナの王様」と称賛されてきた背景にあります。