フランス語で「肌の花」を意味する名の通り、この香りは古代ギリシャ神話におけるプシュケとエロスの官能的な愛の物語に着想を得ている。マスター調香師オリヴィエ・ペシューが仕掛けた香りのアプローチは、実に知的で多層的だ。
トップノートで弾けるピンクペッパーとアルデヒドの軽快なオープニングは、一瞬で意識を覚醒させる。続いて広がるアイリスとアンブレットシート(植物性ムスク)のピュアで清潔感あふれるハートノートが、やがて時間とともに皮脂や体温と混ざり合い、深みのある濃密なムスクへと変容していく。この時間経過に伴う極めて私的なグラデーションこそが、量産型の合成ムスク香水とは一線を画す圧倒的な品格を担保している。