事故現場となった「朝霧駅歩道橋」(延長約100メートル、幅約6メートル)は、JR朝霧駅から大蔵海岸会場へと直結する主要ルートでした。当日は約13万人もの観客が狭小なエリアに殺到し、南側(海岸)へ向かう人波と北側(駅)へ戻る人波が歩道橋中央で完全に衝突、身動きが取れないデッドロック状態に陥りました。
当時の目撃者証言や生存者の手記によると、現場は真夏の熱気と密集による酸欠状態に包まれ、気温・湿度ともに異常な高まりを見せていました。密度は限界値とされる「1平方メートルあたり13〜15人」に達し、観客の足が地面から浮き、個人の意思とは無関係に人の波が揺れる「群衆流動」が発生。午後8時40分頃、歩道橋南側のスロープ付近でバランスを崩した人々が折り重なるように倒れ込む群衆雪崩が発生しました。
下敷きになった犠牲者の多くは胸部を強く圧迫されたことによる外傷性窒息死であり、その大半が幼い子どもたちでした。周囲からは「助けて」「苦しい」という悲鳴が上がり、多数の来場者が携帯電話から110番・119番通報を連発していたにもかかわらず、現場の制御は完全に崩壊していました。