喜劇の印象が強い大泉洋を源頼朝という「絶対的で孤独な支配者」に据えたキャスティングは、大きな話題を呼んだ。だが蓋を開けてみれば、その笑顔の裏に潜む冷酷な疑心暗鬼が、画面越しに視聴者を震え上がらせた。頼朝の死後もなお、彼が遺した負の遺産が登場人物たちを縛り続ける。
一方、物語の前半で強烈な印象を残したのが、義時の初恋の相手でもある八重を演じた新垣結衣だ。時代の波に翻弄されながらも、力強く生き、そして散っていった彼女の姿は、冷血な政治劇の中に流れる人間味の象徴だった。三谷幸喜の手腕は、俳優たちのパブリックイメージを逆手に取り、まったく新しい魅力を引き出す点において異次元の冴えを見せた。