そもそも、なぜ「クリームパンナ」ではなく「クリームパンダ」と命名されたのでしょうか。その誕生は、1998年4月3日に放送されたテレビアニメ第469話「アンパンマンとクリームパンダ」に遡ります。原作絵本を手がけた故・やなせたかし氏の自著や生前の公式インタビューによると、ネーミングの着想は極めて直感的かつ造形美に基づいたものでした。
クリームパン特有のふっくらとした形状と切れ込みを眺めた際、やなせ氏の脳裏には「子ども用の野球グローブ」と「目の周りに黒い縁取りがあるジャイアントパンダの顔」が浮かびました。頭部の両端にあるポコポコとした凹凸がパンダの丸い耳を想起させ、目の周りの茶色い模様がパンダのタレ目を思わせたことから、「クリームパン」と「パンダ」を大胆に掛け合わせた「クリームパンダ」が誕生したのです。
必殺技がパンチではなく「グーチョキパーパンチ」である点も、クリームパンの手の形がじゃんけんのグー・チョキ・パーに見えるというやなせ氏の遊び心から生まれました。最初から「パンナ」という語尾を継承する意図はなく、純粋に「クリームパン×パンダ」という独立した意匠として生み出されたことが一次資料からも裏付けられています。