カラスノエンドウを料理する際、最大の挫折ポイントとなるのが「虫の付着」と「独特のアク」です。これらを完璧にクリアするためのカラスノエンドウの下処理手順を体系化しました。
採取したカラスノエンドウを持ち帰った後、最初に対面するのが黒い小さなアブラムシ(エンドウヒゲナガアブラムシ等)の群れです。カラスノエンドウの托葉(葉の付け根)には「花外蜜腺」と呼ばれる黒い斑点があり、甘い蜜を分泌してアブラムシやアリを引き寄せる生態を持っています。目視で1匹ずつ取り除くのは不可能なため、浸透圧と温度差を利用した物理的アプローチが不可欠です。
現場で実績のあるカラスノエンドウアブラムシ除去のコツは、「2%濃度の塩水浸漬」と「50℃温水洗浄」の組み合わせです。ボウルに水1リットルと食塩20グラム(大さじ1強)を溶かした塩水を作り、カラスノエンドウを全体が沈むように10〜15分間浸します。浸透圧の変化を嫌ったアブラムシが葉から離れ、ボウルの底や水面に浮き上がってきます。その後、約50℃前後のぬるま湯の中で軽く揺すり洗いをすると、葉の微細な気門が開き、奥に潜んでいた微小な虫やゴミが一掃されます。
洗浄が完了したら、次はカラスノエンドウのアク抜き方法へと進みます。野草ならではの爽やかな風味を残しつつ、雑味とエグみを取り除く黄金ステップは以下の通りです。
大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かし、湯量の1%程度の塩を加えます。沸騰した湯の中に、洗浄済みのカラスノエンドウの新芽を投入します。茹で時間はわずか45秒から1分間。葉が鮮やかなエメラルドグリーンに変わったら即座にザルに上げ、あらかじめ用意しておいた氷水(冷水)に浸して一気に熱を取ります。急冷することで細胞が引き締まり、色鮮やかな発色と心地よい歯ごたえがキープされます。冷水に2〜3分さらした後、両手で優しく挟むようにして水気を絞れば、下処理は完璧に完了です。