絶歌はただ読み可能か?無料閲覧の罠と元少年A手記の現在を徹底追跡

絶歌はただ読み可能か?無料閲覧の罠と元少年A手記の現在を徹底追跡

絶歌はただ読み可能か?無料閲覧の罠と元少年A手記の現在を徹底追跡の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

なぜここまで「ただ読み」にこだわる読者が多いのか。その根源にあるのが、出版界のモラルを揺るがした元少年A 印税問題と太田出版 出版の経緯です。

2015年6月10日、太田出版は事前告知をほとんど行わない電撃的な手法で『絶歌』を発売しました。初版は10万部という異例の規模で刷られ、増刷を重ねて累計発行部数は25万部を超えたと報じられています。書籍の定価が1,500円(税抜)で一般的な印税率が10%と仮定すれば、元少年Aの手元には数千万円規模の印税収入が転がり込んだ計算になります。

この出版劇で最も苛烈な批判を浴びたのは、出版に際して被害者遺族への事前連絡や説明が一切なかったという事実です。殺害された土師淳君(当時11歳)の父・土師守さんは直ちに抗議声明を発表し、出版の差し止めと店頭からの即時回収を強く要求しました。遺族側は「手記の出版は遺族に対する精神的蹂躙であり、加害者が犯罪行為を商売にして大金を得ることは断じて許されない」と訴え、元少年A側からの印税による賠償金受け取りも拒絶しました。

太田出版側は「少年犯罪の深層を社会に問い直す重大な資料であり、更生のための自己表現である」と主張しましたが、世論の反発は収まりませんでした。アメリカには、犯罪者が自らの犯行を出版・映画化して得た収益を没収し、被害者遺族への賠償に充てる「サムの息子法(Son of Sam law)」が存在します。しかし日本にはこれに相当する法制度が存在せず、犯罪加害者が手記によって得た巨額の利益を法的に差し押さえる手立てがないという司法の構造的欠陥が浮き彫りとなりました。

山本 拓海
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山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。