赤垣屋をリサーチする際、インターネット上で最も頻発している誤解が「京都の赤垣屋と大阪の赤垣屋は同じ店の支店なのか」という疑問です。結論から述べると、両者は屋号こそ同じであるものの、創業のルーツも経営母体も異なる独立した存在です。しかし、どちらも創業から1世紀近い歳月を刻み、関西の酒場文化を牽引してきた「本物」である点において共通しています。
それぞれの歴史と創業の歩みを整理すると、その個性はより鮮明になります。京都・左京区孫橋町(川端二条)に構える「赤垣屋」は、昭和9年(1934年)の創業。文豪や映画人、大学教授から市井の呑兵衛までを包み込んできた、日本屈指の名居酒屋です。白木を基調としながらも飴色に艶めくカウンター、季節の小料理、名物の数々が、古都の夜を静かに彩り続けています。
対する大阪の「赤垣屋」は、大正12年(1923年)に大阪の街で産声を上げ、2026年に堂々の創業100周年を迎えた老舗企業(株式会社赤垣屋)が手掛ける立ち呑み処です。「大阪の街でほっと一息ついてもらえる場所を作りたい」という創業の志を守り、なんばや梅田をはじめとする主要ターミナルで、働く人々の止まり木として愛され続けています。ネット上の口コミ評価を精査する際は、自分が「京都の風情あるカウンター割烹的居酒屋」を求めているのか、「大阪の活気あふれる安くて旨い立ち呑み」を求めているのかを明確に区別することが肝要です。