結論から申し上げますと、「接骨院」と「整骨院」に施術内容や保有資格の公的な違いは一切存在しません。どちらの看板を掲げていても、施術にあたる責任者は厚生労働大臣が認定する国家資格である柔道整復師(じゅうどうせいふくし)です。
柔道整復師法に基づき、都道府県知事(保健所)へ施術所開設届を提出して開業する点も、受領委任制度によって各種健康保険を取り扱える点も完全に同一です。「整骨院のほうが新しい技術を導入していそう」「接骨院のほうが昔ながらの骨接ぎ(ほねつぎ)のイメージがある」といった認識は、施設側が掲げた屋号(名称)のニュアンスに過ぎません。
では、なぜ同じ施術所でありながら2つの呼び名が存在しているのでしょうか。厚生労働省の通達や業界史を辿ると、興味深い背景が見えてきます。古くは「ほねつぎ」「接骨院」の名称が主流でしたが、昭和後期から平成にかけて、よりソフトで清潔感のあるイメージを打ち出すために「整骨院」と命名する開業者が急増しました。
かつて一部の自治体保健所では、医療法が規定する「病院」や「診療所(整形外科)」との誤認を防ぐ目的から「整骨院」という名称の使用を制限・指導していた時期もありました。現在では実質的な規制緩和が進み、施術所側のブランディングや地域住民への親しみやすさに応じて、自由に選択されているのが現場の実情です。