どれほど目視で美しく仕上がって見えても、高圧の電気エネルギーを物理的に流さなければその真価は測れません。施工完了後に実施されるのが、電気設備技術基準に定められた「耐電圧試験」および「絶縁抵抗測定」です。
直流耐電圧試験の判定基準と印加電圧
6.6kV受電設備における高圧ケーブルの耐電圧試験は、交流試験または直流試験で行われます。実務上は機器の可搬性から直流耐電圧試験が多く採用されます。 * 印加電圧: 最大使用電圧(6,900V)の1.5倍の交流電圧、またはその2倍の直流電圧(10,350Vの2倍=20,700V)を10分間連続印加。 * 判定基準: 規定電圧を10分間印加し、火花放電、絶縁破壊、著しい漏洩電流の急増やフラつきが生じないこと。 * 絶縁抵抗基準: 直流印加前後に1,000Vまたは2,000V絶縁抵抗計(メガー)にて測定し、100MΩ以上を維持していること。
電気主任技術者が警戒する「合格後の潜伏欠陥」
試験データが良好であっても手放しで喜べないのが高圧ケーブルの難しさです。現場の電気主任技術者は、試験器の漏洩電流計の「針の揺らぎ」を注視します。 電流値自体は数マイクロアンペア(μA)と微小であっても、時間経過とともに電流値が右肩上がりに微増していたり、不規則なパルス状の微小スパイクが観測されたりする場合、端末部で微小な部分放電が発生している証拠です。耐電圧試験の10分間をギリギリ耐え抜いて受電開始したものの、半年後に定格電圧下で絶縁破壊を起こすような施工不良は、この潜伏欠陥を見落としたことで発生します。