2012年にリリースされた大ヒットシングル『GO FOR IT』。あの疾走感あふれるアッパーチューンとともに記憶に焼き付いているのが、カンカン帽を斜めにちょこんと乗せた、弾けるような西野カナのビジュアルだ。
当時のギャルファッションといえば、派手な盛り髪やグラマラスなシルエットが主流だった。しかし、彼女はその概念を根底からひっくり返した。ナチュラルなストレートヘアやゆるふわウェーブにカンカン帽を合わせ、チェック柄スカートやギンガムチェックをミックスする「ガーリーギャル」という新ジャンルを確立したのだ。
現場を担当したスタイリストは後年、こう語っている。「あのカンカン帽は、単なる日よけでも小道具でもなかった。恋する女の子の切なさと前向きさを視覚的に表現するための、最高のアクセントだったんです」。計算し尽くされた角度とリボンの太さ。そのこだわりが、日本中の女子高生や大学生を虜にした。