インターネット上の掲示板や解説記事では「最近のAI手書き認識なら、どんなに書き順がめちゃくちゃでも絶対に当たる」という極端な言説が散見されます。しかし、この主張には技術的な盲点が存在します。
現代の手書きAIエンジンは、確かに過去のルールベース認識に比べて圧倒的な寛容性を持っています。一画ごとのベクトルの向きや座標をKanjiVGなどの字形トポロジーと照合する際、多少の書き順の前後(例えば「右」と「左」の書き始めの違いなど)は機械学習モデルが自動で補正します。しかし、それは「交差関係や空間配置が保たれていること」が前提です。
特に画数が20画を超えるような複雑な難読漢字(「鬱」「薔薇」「麒麟」など)において、パーツの配置バランスが崩れたり、一筆書きのようにストロークを極端につなげてしまったりすると、AIはそれを文字ではなくノイズや別の単純な部首として誤認してしまいます。もし手書き認識で何度書いても目的の漢字が候補に出てこない場合は、無理に一文字全体を書こうとせず、画面上の「一画消去」を使ってパーツを丁寧に書き直すか、部首 画数 手書き検索を併用して「へん」や「つくり」だけを個別に指定するアプローチに切り替えるのが確実です。