ドラッグスター250のネガティブな噂として最も頻繁に挙げられるのが、「高速道路がつらい」「車体が重くて動かせない」という2点です。これらは単なる個人の主観ではなく、本車両が持つ物理的なメカニズムに起因しています。
ヤマハの公式諸元データによると、ドラッグスター250に搭載されている空冷4ストロークSOHC2バルブV型2気筒エンジンの最高出力は20PS(15kW)/8,000rpm、最大トルクは2.1kgf・m(21N・m)/5,500rpm(FI仕様最終型)です。同排気量の近代的な水冷スポーツモデルが30PS前後を誇るなかで、20PSという出力は控えめな数値といえます。
加速性能について、0-100km/h加速はおよそ12秒から14秒前後を要します。平坦な高速道路であれば最高速度はメーター読みで約115〜120km/hに達するものの、実質的な快適巡航速度は時速80〜90km/hが限界です。新東名高速道路のように120km/h制限の区間や勾配のきつい上り坂では、スロットルを全開にし続けても失速し、大型トラックの追越しに恐怖を覚える場面が少なくありません。これが「高速がつらい」と評される最大の要因です。
また、乾燥重量ではなく車両重量として160kgという数値は、400ccクラスのドラッグスター(約234kg)と比べれば70kg以上も軽量です。しかし、1,530mmという長いホイールベースと、大きく前方に投げ出されたフォワードコントロールのステップ配置は、テコの原理が働きにくく、押し引きの際に実際の重量以上の重みを感じさせます。小柄なライダーが傾斜のある駐輪場でバックさせようとする際、足腰への負担が大きく「重くて扱いにくい」という印象に直結してしまうのです。