2026年時点の定期預金市場は、3つの構造変化によって再編が進んでいる。第一に、日銀が2026年から段階的に進めてきた政策金利の正常化が一段落し、短期金利が安定的に推移する中で、預金金利の引き上げ競争が本格化したこと。第二に、ネット銀行が低コスト経営を武器に、実店舗を持つ大手銀行とは比較にならない高金利商品を相次いで投入していること。第三に、地方銀行が預金獲得のために表面金利を引き上げる一方で、顧客獲得後のクロスセル(保険や投資信託の販売)を前提にした収益構造を強めていることだ。
公式発表資料や各金融機関のプレスリリースによれば、2026年半ば時点でネット銀行の1年物定期預金の金利は0.7%〜1.0%を付けるケースが一般化している。これに対して、3大メガバンクの店頭表示金利は0.1%前後にとどまる。数字だけ見れば「ネット銀行一択」と言いたくなるが、話はそう単純ではない。金利以外に、預入期間の柔軟性、中途解約時の取り扱い、事務手数料、キャンペーンの適用条件など、実質利回りを左右する要素が複数存在するからだ。