大久野島のうさぎを無断で持ち去った場合、どのような法的リスクと罰則に直面するのでしょうか。ここでは関連法規の観点から、適用され得る条文を整理します。
まず考慮されるのが「鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)」との兼ね合いです。大久野島のうさぎは、歴史的には明治期以降の毒ガス兵器製造時代の遺構を抱える島に、戦後(1971年頃)地元の小学校などで飼育されていた8羽程度のアナウサギ(家畜種)が放たれ、野生化した子孫とされています。学術・法制上「外来種由来の野良うさぎ」と解釈される側面があり、野生鳥獣としての捕獲規制対象となるかについては法制解釈上の議論が存在します。しかし、鳥獣保護区や国立公園の特別地域における動植物の採取規制、あるいは自治体の自然保護条例に抵触する恐れは極めて高いと言えます。
さらに見過ごせないのが刑法上の責任です。島内のうさぎは一般財団法人休暇村協会や環境省が管理・保護活動を行うエリアに定着しており、管理者が事実上の占有を及ぼしていると判断された場合、無断で島外へ持ち去る行為は刑法第235条の「窃盗罪(10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)」に問われるリスクがあります。仮に占有が認められない場合でも、占有離脱物横領罪や軽犯罪法違反が問題となり、無傷で済む法的余地はありません。
ここで特筆すべきは、持ち帰り以上に悪質な犯罪として現場で問題視されている「捨てうさぎ問題」です。「うさぎ島に放せば仲間と一緒に幸せに暮らせるだろう」と身勝手な自己正当化を行い、島内にペット用うさぎを捨てていく飼い主が後を絶ちません。しかし動物愛護管理法上、愛護動物の遺棄は紛れもない犯罪であり、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科せられます。