光の当たるTX沿線や水戸周辺から離れ、日立市や高萩市、あるいは県西部の山間部に目を向けると、全く別の現実が横たわっている。少子化の加速だ。単独の小学校で11人、いや、8人制サッカーのチームすら組めない地域が急増している。
「隣の町のチームと合同で、ようやくエントリー枠の8人を揃えました」
そう語る監督の車には、片道40分かけて集められた子どもたちが乗っている。練習場所の確保も一苦労で、合同練習は週に1回が限界。それでも子どもたちの瞳の輝きは変わらない。地理的なハンディキャップを埋めるため、オンラインでの個人スキル課題の共有や、合同チーム間でのポジションローテーションなど、過疎の現場だからこそ生まれた独自の工夫が、ピッチの上で実を結び始めている。