伊勢神宮のおはらい町・おかげ横丁に足を踏み入れると、人だかりの真ん中で熱々の湯気を立てている看板商品がある。9種類の具材がぎっしりと詰まった名物「伊勢ひりょうず」だ。豆腐と白身魚のすり身をベースに、ひじき、枝豆、椎茸、ウズラの卵などが絶妙なバランスで練り込まれ、注文を受けてから揚げられる外側のカリッとした歯ごたえと内側のジューシーさは、一度食べた者を虜にする。
かつては地元住民の日常食だった練り物が、いまや「歩き飲み・歩き食べ」の観光コンテンツとして爆発的な人気を博している。店頭で一つひとつ手揚げされる様子を観光客がスマートフォンで撮影し、SNSに投稿する光景は日常茶飯事だ。食感のグラデーションと圧倒的なボリューム感が、口コミ文化と見事に合致した結果と言えるだろう。