手軽に白くしたいという欲望に付け入るように、ネット上では極めて危険なセルフケアが拡散され続けています。これらを安易に試すと、大切な歯に一生後悔するダメージを刻み込むことになります。
第一に警戒すべきなのが、激落ちくんで歯をこするNGな理由です。メラミンスポンジは、微細で硬質なメラミン樹脂の骨格が無数に連なった構造をしています。水だけで茶渋や油汚れを削り落とす掃除用品としては非常に優秀ですが、人間の歯に使うことは想定されていません。メラミンスポンジで歯をこすると、歯のバリアであるエナメル質に無数の微小な傷がつきます。削れた直後は汚れが落ちて一時的に白くなったように見えますが、ザラザラになった表面には以前よりも早く強固にステインが付着し、短期間で以前より黒ずんだ黄ばみへと悪化します。
第二に、SNSの動画で定期的にバズるアルミホイルと重曹で歯が白くなる噂の真相です。重曹(炭酸水素ナトリウム)を水やペースト状にして歯に塗り、アルミホイルを巻き付けて放置するという手法ですが、これは化学的な根拠を履き違えた危険行為です。アルミホイルと重曹による還元反応は「銀製品の黒ずみ(硫化銀)を取る化学反応」であり、有機物ステインが付着した歯の表面に対して同様の効果は期待できません。
さらに見過ごせないのが、歯の黄ばみ重曹うがいの危険性と真相です。重曹は弱アルカリ性であり、食後の酸性に傾いた口腔内を中和して虫歯を予防するという理論自体は一部で語られます。しかし、重曹の結晶は粒子が硬く、歯磨き粉代わりに使って歯ブラシで擦れば強力な研磨剤としてエナメル質を激しく削り取ります。また、日常的な重曹うがいは口内の粘膜を刺激し、塩分(ナトリウム)の過剰摂取や口腔内細菌叢の乱れを引き起こすリスクがあります。
一度失われたエナメル質は、皮膚のように細胞分裂して再生することはありません。削れたエナメル質は二度と戻らず、結果として知覚過敏を引き起こし、内部の黄色い象牙質がむき出しになる最悪の結末を招きます。