Web上の検索データや知恵袋等のコミュニティを分析すると、本作に関して長年放置されている2つの大きな誤解が存在します。
第1の誤解は、「アメリカのR&Bシンガー・Ne-Yoのメガヒット曲『Because of You』の日本語カバーなのではないか」という混同です。清水翔太といえば、デビュー前にアポロ・シアターのアマチュアナイトに出演し、ソウルフルな洋楽カバーでも高い評価を得てきた経歴があります。また、同名異曲であるNe-Yoの楽曲があまりにも有名であるため、「清水翔太がNe-Yoの名曲を日本語詞でカバーしたバージョン」と勘違いしたまま検索するユーザーが一定数存在します。しかし、オリコンニュースや公式クレジットに明記されている通り、本作は作詞・作曲ともに清水翔太自身による完全オリジナル楽曲です。コード進行もメロディラインも全く異なる独立した芸術作品です。
第2の誤解は、「救いのない失恋ソング」という固定観念です。タイトルやサビの切ないトーンだけを断片的に聴いたリスナーが「別れた恋人を引きずっている失恋の歌」と解釈しているケースが散見されます。しかし、前述の「荷物の紐をほどいて 君といると決めたんだ」というフレーズが示す通り、結末において主人公は関係を放棄していません。別離の危機を乗り越えて、不完全な相手と不完全な自分のまま未来を選ぶという「愛の継続」を描いた曲であり、安易な破局ソングとして片付けることは歌詞の本質を見誤ることになります。