この曲の最大の魅力は、桑田佳祐が手掛けた情緒的なメロディラインと、原由子の無垢なボーカルの化学反応にある。哀愁を帯びつつも、聴き手を優しく包み込むようなコード進行。それは、西洋のポップスをベースにしながらも、日本人のDNAに刻まれた童謡や唱歌の美意識へと昇華させた結果だろう。難しい音楽理論を抜きにしても、イントロのピアノが鳴った瞬間に「あ、いいな」と思わせる直感的な美しさがここにはある。
流行り廃りの激しい音楽業界において、35年間も現役で聴かれ続ける曲は極めて稀だ。派手なエフェクトや刺激的なビートに疲れた現代人の耳に、このオーガニックなサウンドが心地よく響くのは、ある意味で必然かもしれない。