この獲れたての熱気は、決してプロだけの特権ではない。勝浦といえば日本三大朝市のひとつとして名高いが、旅の成否を分けるのもまた、港の入船状況と無縁ではない。前夜から早朝にかけて大型船の入港が相次いだ日の朝市は、並ぶ魚の鮮度も種類も圧倒的だ。
観光で訪れるなら、港周辺の食堂や直売所が活気づく午前8時前後を狙うのが鉄則だ。市場関係者御用達の食堂では、さっきまで船倉で眠っていたカツオが分厚い刺身定食となってテーブルに運ばれてくる。モチモチとした特有の食感と、舌の上で澄み渡るような後味。冷凍や長距離輸送を一切挟まない本物の味を知ってしまうと、都会の刺身には戻れなくなる旅行者が後を絶たない。