熱血漢やコミカルな役柄の裏で、ファンの胸をざわつかせ続けているのが『暁のヨナ』のスウォンに代表されるミステリアスな役どころだ。幼馴染としての穏やかで柔らかな微笑みと、国を背負う王としての冷徹な眼差し。その二面性を、小林は声のトーンを大きく変えることなく、温度感のわずかな揺らぎだけで描き出す。
悪役と切り捨てるにはあまりに悲哀に満ちており、味方と信じるには底知れない恐怖が漂う。声に潜む「曖昧さ」をコントロールする手腕は、単なる善悪二元論に収まらないドラマの重層性を生み出している。視聴者は彼の囁きに魅了されながら、同時に背筋を凍らせることになる。