黄砂の主成分は石英や長石といった硬い鉱物だ。粒径はおよそ4マイクロメートル前後とスギ花粉の約10分の1サイズで、非常に細かい。これが濡れた洗濯物にとって最悪の相性を持つ。
水分を含んで膨らんだ繊維の隙間に、尖った鉱物粒子が入り込むと、表面張力も手伝って奥深くまでガッチリと食い込んでしまう。乾いた後に手で払った程度ではビクともしない。それどころか、乾いたタオルで顔を拭いた瞬間に微細な砂が皮膚を擦り、目に見えない傷をつけてバリア機能を破壊する。アトピー性皮膚炎の悪化や結膜炎、呼吸器系の違和感を訴える人がこの時期に激増する裏には、衣服に残留した黄砂の存在があるのだ。