手軽でメリットの多い新聞紙遊びですが、保護者が最も警戒すべきは「インクの毒性」と「誤飲・窒息」のリスクです。ネット上では「新聞紙のインクは有害物質が含まれている」「舐めると危険」といった噂が散見されますが、実際のデータはどうなっているのでしょうか。
日本新聞協会および印刷インキ工業会の公式開示基準によると、現在日本国内で流通している主要新聞のほとんどは、環境対応型の「植物油インキ(大豆油・米ぬか油・パーム油等)」を採用しています。昭和・平成初期に懸念されたような鉛やカドミウムなどの重金属、芳香族炭化水素などの有害物質は厳格に排除されており、肌に触れたり、指についた微量のインクを誤って舐めてしまったりした程度で急性中毒を引き起こすリスクは極めて低いのが実情です。
しかし、毒性リスクが低いからといって無条件に安全とは言えません。本当の危険は「物理的な窒息事故」にあります。1歳児は口唇期の真っ只中にあり、未知の物質を口に入れて確かめる探索行動が活発です。唾液でふやけた新聞紙は粘着性を帯び、喉の奥や上あごに張り付きやすいため、気道を塞いで窒息を引き起こすリスクが存在します。