リハビリの道のりは、現役時代のどんな猛練習よりも過酷を極めた。自力で立ち上がることすら叶わない。指一本を動かすために全身から汗を噴き出させ、一言を発するために数分間苦悶する。元トップアスリートゆえに、かつての自分と現在のギャップに激しい葛藤を覚えることも一度や二度ではなかった。
しかし、木村氏は諦めなかった。持病である糖尿病の治療と並行しながら、理学療法や作業療法、言語療法に泥臭く打ち込んだ。「昔のようには動かん。でもな、今できることをやるしかないんじゃ」。広島弁交じりのつぶやきとともに、彼は毎日数時間に及ぶ訓練を重ねた。ミリ単位で回復していく身体の感覚を確かめながら、不屈のメンタリティで試練を乗り越えていったのだ。